経費削減は個人事業主にとっての命題ですが、普段の業務が忙しいとなかなか経費削減に気が回らないこともありますよね。一度にすべての対策をすることは難しいですが、少しずつ実践していけば将来へのいわば投資になります。この記事では経費削減の成功例を通して、個人事業主の経営をサポートするポイントをご紹介したいと思います。
1.経費削減の様々な成功例
まずは経費削減の成功例を見ていきましょう。個人事業主というよりは比較的大きな会社の例ですが、個人事業主でも実践できる取り組みをしているのでご紹介します。
・業務改善ツールで経費削減した例
業務や社内コミュニケーションを支援する業務改善ツールはいろいろとありますが、そのようなツールの一つである「Kintone」を使って経費削減した例を紹介します。同社は農業ビジネスを運営していますが、地域ごとに生産者農家とのやり取りで社員が全国を飛び回る必要があります。書類にハンコを押すためだけに新幹線で遠方に行くこともありました。
しかしKintoneやセンサーを利用して生産量や販売可能量を見える化した結果、業務がスムーズに行えるようになりました。その結果販売ロス0.04%という極めて低い数字を達成することに成功しました。
・Amazonビジネスで時短や経費削減した例
全国約90カ所でデイサービスの施設を展開している「ヒューマンライフケア社」の例を紹介しましょう。この会社は以前必要な物品をその都度購入するたびに従業員がホームセンターなどで買い物していました。また商品は従業員が立て替えて後で個別に経費精算していたようです。そのため手間がかかっていました。
しかし2017年から「Amazonビジネス(法人・個人事業主の購買サービス)」の利用を開始したところほとんどのものをAmazonビジネスで購入できるため、購買の手間が改善され年間約9000時間分の業務削減につながったようです。これを時給換算すれば、例えば時給1,000の場合年間900万円の経費削減になります。
・クラウドサービスを導入して経費削減した例
愛媛県のの柑橘類栽培・加工・販売事業を運営する「ミヤモトオレンジガーデン」ではクラウド会計ソフトの「freee」を導入しました。以前は別のソフトを使っていましたが、同社は会計を生産部門と卸部門で別々に処理する必要があったもののそのソフトでは対応できませんでした。しかもデータをUSBに入れて持ち歩いたり担当者に連絡する必要がありました。
一方freeeは部門別会計管理ができるほか、クラウド技術をいかして外出先でも簡単に閲覧や作業ができます。その結果経理業務の⼯数が半分にまで減ってコストも下がり効率的な経営が可能になりました。
・スマホで移動経費削減した例
「ヤマサハウス株式会社」は住宅設計・施工などを行う鹿児島県の会社ですが、同県は面積が広いのでクライアントへの訪問にともなう移動コストが高くなっていました。そこで移動コスト削減のために全社員にスマホを支給してスマホを活用したWeb会議を行うようになりました。
これらの事例はコストカットに成功した多くの例のほんの少数の例です。クラウドサービス、ITツール、Webサービスなど最先端の技術やサービスを取り入れてコストカットしている例ですが、現在はITを使った様々な便利なサービスやツールがふんだんにあります。自社に役立つものがないか積極的に探してみると良いでしょう。
2 .まとめ
経費削減の成功例をいくつか見ていきました。小規模の個人事業主であれ中小企業であれ大企業であれ、コストカットが会社の命題になっている点ではみな共通しています。最新のITツールや税制上の制度を利用しながら少しずつ経費削減の道を探していきましょう。売り上げアップだけではなくコストカットも目指すことが安定経営の第一歩です。